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 過去一で泣いた。「ビッグ・フィッシュ」が教える父と子の和解

※本ページはプロモーションが含まれています

「人生なんて、まるでお伽噺さ」──父はいつもそう言って、荒唐無稽な冒険譚を語り続けた。巨人との旅、魔女との出会い、時間が止まった恋。息子はやがてその話を「嘘」だと断じ、父と距離を置くようになる。

だが、父の死期が迫ったとき、息子は気づく。父の話は嘘ではなかった。真実に尾ひれをつけた「物語」だったのだ。ティム・バートン監督が自身の父の死を経て撮り上げた本作は、彼のフィルモグラフィにおいて最も私的で、最も普遍的な傑作である。

🎬 予告編

📌 この作品を3行で

この作品を3行で

  • ホラ吹き父と、それを嫌う息子の和解物語
  • ティム・バートン史上最もロマンチックな映像美
  • ラスト20分、涙腺崩壊必至

作品情報

  • 作品名:ビッグ・フィッシュ(Big Fish)
  • 公開年:2003年(日本公開:2004年)
  • 監督:ティム・バートン
  • 出演:ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター
  • 上映時間:125分
  • 音楽:ダニー・エルフマン

📖 ホラ吹き父と息子の確執──あらすじ

ジャーナリストのウィル・ブルームは、幼い頃から父エドワードの語る冒険譚が大好きだった。未来を予見する魔女、一緒に旅をした巨人、誰も足を踏み入れない森の先にある楽園のような町。父の話を聞くたび、少年の目は輝いていた。

だが大人になるにつれ、ウィルはその話が「作り話」だと気づき始める。自分の結婚式でさえ、父は例の巨大魚の話で場をさらった。「父さんの話は嘘ばかりだ」──そう断じたウィルは、父と3年間口をきかなくなる。しかし父の死期が迫ったとき、彼はついに「本当の父」を知ろうと動き出す。

✨ なぜこの映画は心を打つのか──4つの魅力

ここがすごい!

  • 「真実を誇張した物語」という発明
  • 時が止まる一目惚れ、一面の水仙──映像で語る愛
  • 息子が父に語る「最後の物語」
  • 葬儀に集まる「ホラ話の登場人物たち」

「真実を誇張した物語」という発明

本作の核心は、父のホラ話が「嘘」ではなく「真実に尾ひれをつけた物語」だったという点にある。完全な虚構でもなく、退屈な事実でもない。その中間にある「脚色された人生」こそが、人を楽しませ、救い、世代を超えて繋いでいく。

映画も、小説も、あらゆるフィクションはこの「脚色」の上に成り立っている。本作はその存在意義を、父と子の関係を通じて美しく肯定してみせる。「真実だけの話は味気ない。語り継がれる物語には、多少の脚色があっていい」──これは物語を愛するすべての人への賛歌だ。

時が止まる一目惚れ、一面の水仙──映像で語る愛

ティム・バートンといえばダークでゴシックな世界観を連想するが、本作は彼のフィルモグラフィで最もロマンチックな映像に満ちている。

サーカスのテントで運命の女性サンドラを見た瞬間、周囲の時間が凍りつく。ポップコーンが宙に浮き、人々が静止する中、若きエドワードだけが彼女に向かって歩み寄る。そして彼女の好きな花を知った彼は、畑一面に黄色い水仙を植えて告白する。言葉より雄弁な、映像で語る愛の形がここにある。

息子が父に語る「最後の物語」

物語の終盤、病床の父に息子ウィルが問いかける。「父さんの最期はどうなるの?」──父は答えない。いや、答えられない。なぜなら、その物語だけは語られていなかったから。

そこでウィルは、父のスタイルで「父の最期」を語り始める。父の話を信じなかった息子が、死の床で父のために物語を紡ぐ。この役割の逆転こそが、二人の和解の瞬間であり、物語のバトンが渡される瞬間だ。このシーンで涙を堪えられる人は、おそらくいない。

葬儀に集まる「ホラ話の登場人物たち」

ラストの葬儀シーン。そこには驚くべき光景が広がる。巨人も、双子の姉妹も、サーカス団員も、不思議な町の住人たちも──父が語り続けた「ホラ話」の登場人物たちが、実在していたのだ。

誇張されていた。脚色されていた。しかし嘘ではなかった。父の人生は確かにあった。そしてその人生は、彼を愛した人々の記憶の中で「物語」として生き続ける。これほど美しい「人生の締めくくり」を、他に知らない。

🎭 印象的なシーン・セリフ

「運命の女と出会うと、本当に時が一瞬止まる」

サーカスのテントで初めてサンドラを見た瞬間の、あの演出。周囲の時間が凍りつき、ポップコーンが宙に浮く。映画史に残るロマンチックの極致だ。

「小さな池のデカい魚は、海に出ると溺れちまう」

故郷を出る決意をした若きエドワードへの言葉。だが彼は溺れなかった。むしろ海でも「大きな魚」であり続けた。タイトルの意味が、ここで二重に響いてくる。

「悪者といわれるものは、実は孤独で社会常識がないだけだと知った」

巨人カールとの出会いで得た教訓。エドワードの人生哲学が凝縮された一言であり、ティム・バートン作品に通底する「異形への愛」のテーマでもある。

💭 視聴後の感情

観終わった後、真っ先に浮かんだのは自分の父のことだった。あの人はどんな人生を歩んできたのだろう。どんな話を聞かせてもらっただろうか──そう考えずにはいられない。

本作は、「親を知ること」と「物語を継ぐこと」の意味を静かに、しかし確実に心に刻み込んでくる。観る年齢によって、立場によって、感じ方が変わる映画だ。そして何度観ても、ラストで必ず泣いてしまう。

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こんな方におすすめ!

  • 物語を語ること・聞くことの意味を考えたい人
  • 人生の終わり方・見送り方を考え始めた人
  • ファンタジー映画にリアリティを求める人

😅 ここが惜しい…

婚約者ドンの扱いが気の毒すぎる

ここが残念…

  • サンドラの元婚約者ドンは、エドワードに女性を奪われ、怒りのあまり持病で死亡
  • 主人公にとって都合が良すぎる展開で、踏み台にされた男の存在が引っかかる

エドワードの物語はどれも魅力的だが、その陰で踏み台にされた人物がいることも事実。ドンは昔からエドワードに何をやっても勝てず、劣等感を抱いていた。その上で婚約者まで奪われ、最後は怒りで命を落とす。主人公がいれば、自ずから脇役が生まれる──その残酷さが、唯一心に引っかかる部分だ。

息子ウィルの嫌悪の深さが伝わりにくい

息子ウィルが父を嫌う理由は「ホラ話にうんざりしたから」と説明される。だが、それだけで3年間も絶縁するほどの感情的な説得力があるかというと、やや弱い。なぜそこまで父を嫌うのか、その動機の描写がもう少し欲しかったというのが正直なところだ。

こんな方には向かないかも…

  • 回想シーンの連続が「退屈」と感じる人
  • ティム・バートンのダークな奇想天外さを期待する人

サウンドトラック購入先

ダニー・エルフマンによる幻想的なスコアと、Pearl Jamの主題歌「Man of the Hour」が作品を彩る。

🎬 「ビッグ・フィッシュ」が好きなら絶対見るべき3選

シザーハンズ(1990)

同じくティム・バートン監督の代表作。両手がハサミの人造人間エドワードと、彼を受け入れる家族の物語。「異形への愛」と「純粋さの悲劇」というバートン作品の核心がここにある。『ビッグ・フィッシュ』で描かれた「社会から外れた者への優しい眼差し」の原点とも言える一作。

リメンバー・ミー(2017)

ピクサーが描く「死者の国」と家族の絆。「人は二度死ぬ。肉体が滅びたときと、誰からも忘れられたとき」──『ビッグ・フィッシュ』が描いた「語り継がれることで人は永遠になる」というテーマと、驚くほど共鳴する。涙腺崩壊確実のもう一本。

ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019)

グレタ・ガーウィグ監督が古典を現代に蘇らせた傑作。作家を夢見る主人公ジョーが、自分の人生を「物語」として紡いでいく姿は、『ビッグ・フィッシュ』の父エドワードと重なる。「物語を書くとは、人生を生きること」──そのテーマに惹かれた人に、強くおすすめしたい。

📺 ビッグ・フィッシュはどこで見れる?配信状況

📊 配信サービス比較

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👉 各サービスの詳細な違いはVOD比較7社徹底解説を参照。

📝 まとめ

『ビッグ・フィッシュ』は、ティム・バートンが自身の父の死を経て撮り上げた、最も私的で普遍的な傑作だ。ファンタジーの魔法と、父と子という普遍的なテーマが交差し、観る者の心を深くえぐる。

父の話は嘘ではなかった。真実に尾ひれをつけた「物語」だった。そしてその物語は、語り継がれる限り永遠に生き続ける。「人は語られることで永遠になる」──本作が教えてくれるのは、フィクションの存在意義そのものだ。父親との関係を見つめ直したい人、物語を愛するすべての人に、自信を持っておすすめする。

⭐ 作品の特徴

項目評価
ストーリー★★★★★
映像美★★★★★
演技★★★★☆
音楽★★★★★
泣ける度★★★★★

うさぎ亭的おすすめ度

⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐☆☆

8.3 / 10

過去一で泣いた。これがティム・バートンの最高傑作だ。

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