映画「RRR」レビュー|少年ジャンプ×インド映画の最適解

※本ページはプロモーションが含まれています

『バーフバリ』で度肝を抜かれた人間が、同じラージャマウリ監督の新作を期待しないわけがない。期待値はMAX。むしろ「あのバーフバリを超えられるのか?」という、やや意地悪なハードルすら用意していた。結論から言えば、そのハードルごと吹き飛ばされた。

『RRR』は、インド映画の枠を軽々と飛び越える。努力・友情・勝利という少年漫画の黄金律を、インド映画ならではの音楽とダンスとケレン味で包み込んだ、「カレー味の走れメロス」とでも呼ぶべき一本。ハリウッドのアクション大作に食傷気味の人にこそ、この衝撃を味わってほしい。

🎬 予告編

📌 この作品を3行で

この作品を3行で

  • 英国植民地時代のインドを舞台にした友情と革命の物語
  • 3時間が一瞬で溶ける、全編クライマックスのアクション
  • アカデミー歌曲賞受賞「ナートゥ」の中毒性は異常

作品情報

  • 作品名:RRR(アール・アール・アール)
  • 公開年:2022年(日本公開:2022年10月21日)
  • 監督:S・S・ラージャマウリ
  • 出演:N・T・ラーマ・ラオ・Jr.、ラーム・チャラン、アーリヤー・バット
  • 上映時間:179分
  • ジャンル:アクション / ドラマ / ミュージカル
  • 受賞:第95回アカデミー賞 歌曲賞(「ナートゥ・ナートゥ」)

📖 映画「RRR」のあらすじ

1920年、英国植民地時代のインド。英国総督の妻に連れ去られたゴーンド族の少女マッリを救うため、族の守護者ビームはデリーへ向かう。一方、大義のために英国政府の警察官となったラーマは、ある革命家の逮捕を命じられていた。その革命家こそ、ビーム本人だとは知らずに。

ある列車事故で偶然出会った二人は、互いの素性を知らぬまま深い友情を育んでいく。だが使命と友情の狭間で、やがて二人は究極の選択を迫られることになる。「Rise(蜂起)」「Roar(咆哮)」「Revolt(反乱)」。タイトルに刻まれた三つの言葉が、物語のすべてを物語っている。

✨ 映画「RRR」の魅力

ここがすごい!

  • 3時間が「あっという間」に変わる異常な構成力
  • ハリウッドとは次元が違うアクションの発想力
  • ナートゥダンスに代表される、音楽の爆発的な高揚感

3時間が「あっという間」に変わる異常な構成力

179分。約3時間。この上映時間を聞いて、身構えない人はいないだろう。筆者自身、再生ボタンを押す前に「途中で休憩を入れよう」と覚悟していた。

結果、休憩を入れるタイミングなど、一度も訪れなかった。

この映画には「つなぎ」のシーンが存在しない。友情の構築、敵対の予感、裏切りの衝撃、そして再結束。すべてのシーンが物語を前へ前へと加速させ、緩急の波が途切れることがない。少年ジャンプの黄金期を思い出してほしい。あのページをめくる手が止まらない感覚が、3時間にわたって持続する。ストーリーの骨格自体は驚くほどシンプルだ。だからこそ、感情の導線が明快で、観客は一切迷子にならない。「シンプルを濃密に語る」という、エンタメの理想形がここにある。

ただ、ここで正直に言うと、筆者は中盤のインターバル以降、ほんの一瞬だけテンポの落ちる箇所を感じた。ラーマの過去が明かされるパートだ。物語上は必要な情報なのだが、前半の猛烈な加速の後だけに、わずかな減速が目立ってしまう。とはいえ、この「わずかな減速」すら、終盤の爆発的なカタルシスへの助走にすぎないと気づくのに、そう時間はかからなかった。

ハリウッドとは次元が違うアクションの発想力

『RRR』のアクションは、ハリウッドのそれとは根本的に違う。何が違うかと言えば、「ありえなさ」を堂々と力技で成立させる点だ。

序盤、ラーマが棍棒一本で暴動の群衆に突っ込んでいくシーンからして異常。一人対数百人。普通なら「嘘だろ」と醒めるところを、カメラワークの勢いと役者の身体能力で「本当かもしれない」と思わせてしまう。(ここで笑うか興奮するかで、この映画との相性が決まると思う)

そして終盤の肩車バトル。ビームの肩にラーマが乗り、二人がひとつの戦闘マシンと化す。上がビームの拳、下がラーマの弓矢。運動会の騎馬戦のようなビジュアルなのに、なぜか泣ける。友情の結実を、セリフではなくアクションで見せる。これは『バーフバリ』シリーズを手がけたラージャマウリ監督ならではの離れ業であり、ハリウッドのどの監督にも真似できない、インド映画の底力そのものだ。

ナートゥダンスに代表される、音楽の爆発的な高揚感

第95回アカデミー賞で歌曲賞を受賞した「ナートゥ・ナートゥ」。この曲の存在だけで、本作を観る価値がある。

英国人たちの社交パーティに乗り込んだビームとラーマが、挑発に応じてダンスを始める。最初のドラムパンの一撃で空気が一変し、二人の足元から砂煙が舞い上がるほどの激しさへと加速していく。ダンスの技術もさることながら、このシーンが素晴らしいのはストーリー上の必然として存在していることだ。「インド映画だから踊る」のではなく、「ここでこの二人が踊ることに、意味がある」。被支配者が支配者の土俵で圧倒する痛快さ。友情の深さを言葉ではなくステップで証明する説得力。理屈抜きに体が動く中毒性と、物語的な意味が両立している。

🎭 印象的なシーン

最も強烈に記憶に残ったのは、やはり橋での出会いだ。燃え盛る列車から投げ出された少年を、見ず知らずの二人が即興の連携で救出する。旗とロープを使った離れ業のあとに、あの状況下で自己紹介を始める馬鹿馬鹿しさ。気づいたら前のめりになっていたし、この瞬間に「この映画、最後まで大丈夫だ」と確信した。

もうひとつ、猛獣大乱闘のシーンについて触れたい。公邸の門前でトラックの扉が開き、虎や狼たちが雪崩れ込む。ビームが半年かけて集めた野生動物たちが、彼の怒りを代弁するかのように暴れ回る。発想が常軌を逸しているのに、物語の文脈では完全に筋が通っている。観た映画の中でも、ベストシーンに入るほど好きだった。

💭 視聴後の感情

観終わった後、しばらく放心状態だった。映画を「面白かった」と評することは多いが、この作品に対して出てきた言葉は「楽しかった」だった。面白いと楽しいは似ているようで違う。面白いは頭で感じるもの。楽しいは体で感じるもの。『RRR』は完全に後者で、観ている間ずっと身体が高揚している、アトラクションに乗っているような体験だった。

観終わった翌日、ふとナートゥのメロディが頭の中で鳴っていた。あのドラムパンの音。足が勝手にリズムを刻みそうになる。これが中毒か、と思った。

今すぐ見たい方はU-NEXTで視聴可能(31日間無料トライアルあり)

こんな方におすすめ!

  • 少年ジャンプ的な「努力・友情・勝利」の物語が好きな人
  • ハリウッドのアクション映画にマンネリを感じている人
  • インド映画に興味はあるが、どれから観ればいいかわからない人

😅 ここが惜しい…

気になった点

ここが残念…

  • インターバル後にやや中だるみを感じるパートがある
  • 英国側の描写がステレオタイプで、物語の深みはやや薄い

前半の怒涛の展開に比べると、インターバル後のラーマの過去編あたりでわずかにテンポが落ちる。『バーフバリ 王の凱旋』と比較すると、脚本の推進力という点では一歩及ばない印象だ。とはいえ、このパートがあるからこそ終盤の感情が爆発するのも事実で、構成上の欠陥というよりは「前半が強すぎた」副作用と言ったほうが正確かもしれない。

もうひとつ、英国総督夫妻の描き方について。「銃弾1発の価値は1ポンド。インド人の命はそれ以下」というセリフに象徴されるように、悪役の非道さは徹底している。勧善懲悪のエンタメとしてはこの上なく痛快なのだが、歴史ドラマとしての深みを期待すると、やや一面的に感じる部分はあった。ジェニー(総督の姪)をはじめとする女性キャラクターの掘り下げも薄く、W主人公の存在感が強すぎるがゆえの犠牲とも言える。

ただ、これを書くか迷ったが、上記の「惜しい点」は、この映画の圧倒的な楽しさの前では些末な話だ。トータルで見れば、娯楽映画として文句のつけようがない出来であることは間違いない。

こんな方には向かないかも…

  • 歴史映画としてのリアリティや複雑さを求める人
  • ミュージカル的な演出が根本的に苦手な人

サウンドトラック購入先

🎬 『RRR』が好きなら絶対見るべき3選

バーフバリ 伝説誕生

『RRR』の原点。同じラージャマウリ監督が「古代インド」という舞台で制約を完全に取り払い、さらにぶっ飛んだアクションを展開する。RRRで感じた興奮の「源流」を体験したいなら、迷わずこちらへ。

ブレイブハート

「圧政への反逆」「自由への渇望」「民衆を率いるカリスマ」。RRRと精神的な骨格が同じ、メル・ギブソン監督・主演のアカデミー賞作品。ビームとラーマの闘志に燃えた人なら、ウォレスの叫びにも心を撃ち抜かれるはずだ。

マッドマックス 怒りのデス・ロード

「全編クライマックス」という点で、RRRと双璧をなす一本。理屈を超えた映像の暴力と、言葉少なに語られる人間ドラマ。アクション映画に「体験」を求める人にとって、これ以上の作品はそうそうない。

📺 『RRR』はどこで見れる?配信状況まとめ

『RRR』はNetflix(ネトフリ)で配信している?

残念ながら、現在日本版Netflixでは『RRR』は配信されていない。海外版Netflixではヒンディー語版が視聴可能だが、日本国内からは通常アクセスできない。しかし、U-NEXTの31日間無料トライアルを使えば、付与される600ポイントでレンタル視聴が可能だ。

3時間の超大作を自宅で、しかも初回無料で体験できる。あのナートゥダンスの衝撃を、まだ味わっていないなら損はない。

視聴はこちらから

👉 U-NEXTの詳細レビューはこちら

📊 配信サービス比較

サービス配信状況無料体験
U-NEXTレンタル(600ptで実質無料)31日間
Amazon Prime Videoレンタル30日間
Huluレンタルなし
Netflix配信なしなし
Disney+配信なしなし

👉 各サービスの詳細な違いはVOD比較7社徹底解説を参照。

📝 まとめ

『RRR』は、娯楽映画としてほぼ満点の作品だ。少年ジャンプ的な王道の面白さ、インド映画ならではのミュージカルシーンの楽しさ、そしてハリウッドとはまた違うアクションの魅力。すべてが高い水準で融合している。脚本の深みや敵役の描き方に「もう一歩」の余地はあるものの、それは些末な話だ。この映画が与えてくれるのは、理屈を超えた身体的な興奮。「面白い」ではなく「楽しい」と言いたくなる、希少な映画体験そのものだった。

1920年のインドで英国の植民地支配に立ち向かった二人の男の物語は、同時に、映画というメディアが持つ「人を奮い立たせる力」の証明でもある。ストーリーが終わっても、あのナートゥのリズムが頭から離れない。気がつくと、足がリズムを刻んでいる。それだけで、この3時間には価値があった。

⭐ 作品の特徴

項目評価
ストーリー★★★★☆(シンプルだが王道の強さ)
アクション★★★★★(発想・迫力ともに規格外)
音楽・ダンス★★★★★(ナートゥだけで星5つ)
映像美★★★★☆(一部CGに粗あり)
キャスト★★★★☆(W主演の存在感が圧倒的)
テンポ★★★★☆(中盤にわずかな減速あり)

うさぎ亭的おすすめ度

⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐☆☆

8.2 / 10

脳ではなく体で「楽しい」と叫ぶ、3時間のアトラクション。