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作画は、一ミリも落ちていない。むしろ最終話の宇宙怪獣戦は、1期のどのバトルより物量がある。それでも第2期は、1期ほど前のめりになれなかった。12話ぶん理由を考えて、ひとつの答えに行き着いた。落ちたのは作画ではなく、緩急だ。
筆者はサイエンスSARU——というより湯浅政明の周辺から出てくるアニメーションが好きで、『MIND GAME』も『ピンポン THE ANIMATION』も何度も観返している。だから1期は、動きの気持ちよさだけで満足できた。2期でも動きの質は変わっていない。質が変わっていないのに満足度が落ちたなら、原因は動き以外にあるということになる。
📺 『ダンダダン 第2期』はどこで見れる?【2026年8月版】
| サービス | 配信状況 | 無料体験 |
|---|---|---|
| U-NEXT | 見放題 | 31日間 |
| Amazon Prime Video | 見放題 | 30日間 |
| Disney+ | 見放題 | なし |
| Hulu | 見放題 | なし |
| Netflix | 見放題 | なし |
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2026年8月3日時点で、主要VODはほぼ全社が見放題だ。上の5社に加えてdアニメストア・DMM TVでも全話配信されている。ここまで配信先が広い作品は珍しく、「どこで観るか」で迷う必要はほとんどない。強いて言えば、1期から通しで一気に観るなら無料体験期間が最も長いU-NEXTが扱いやすい。配信状況は変動するため、最新情報は各サービスの公式サイトでも確認してほしい。
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なお2期は、第13話目から何の説明もなく温泉宿の場面で始まる。1期の記憶が薄いなら、『ダンダダン 第1期』のレビューであの中途半端な幕切れまでを思い出してから戻ってきてほしい。
🎬 予告編
この作品を3行で
- 作画は1期超え。落ちたのは緩急のほう
- 土着ホラー→学校の怪談→SF大怪獣。1クールでジャンル3周
- 賛否が割れたお囃子回こそ、今期の最高到達点
作品情報
- 作品名:ダンダダン 第2期
- 放送:2025年7月4日〜9月19日(全12話/通算第13話〜第24話)
- 監督:山代風我/アベル・ゴンゴラ
- シリーズ構成:瀬古浩司
- アニメーション制作:サイエンスSARU
- 原作:龍幸伸(少年ジャンプ+連載)
- 音楽:牛尾憲輔
- 主題歌:OP アイナ・ジ・エンド「革命道中」/ED WurtS「どうかしてる」
- 声優:若山詩音(綾瀬桃)/花江夏樹(オカルン)/佐倉綾音(白鳥愛羅)/田中真弓(ターボババア)/石川界人(ジジ)

📖 あらすじ・ネタバレなし
幽霊を信じないモモと、宇宙人を信じないオカルン。互いの否定を否定し合ううちに、二人はどちらも実在する世界に放り込まれた——というのが1期だった。2期は、その延長線上にある山あいの町から始まる。モモの友人ジジの実家が建つ土地には、代々受け継がれてきた不穏な言い伝えがあった。邪視と呼ばれるものが、ジジの身体を借りて動き出す。
前半はこの邪視をめぐる土着ホラーだ。ところが物語は中盤で学校と町に戻り、終盤では宇宙怪獣と巨大ロボットの正面衝突になる。1クールのあいだにジャンルが三度変わる。そして最終話、1期と同じように、とんでもない場所に読者を置き去りにして幕が下りる。この幕切れをどう受け取るかで、2期の印象はかなり変わる。
✨ 動きの質だけは、1期を超えている
ここがすごい!
- 1期から1年足らずで12話。この短さでこの作画量は異常
- ブリーフ一丁の邪視を、本気で怖くカッコよく描く胆力
- ロボアニメ・特撮・ジブリ作品まで、元ネタ探しが遊びになる密度
- アイナ・ジ・エンド「革命道中」が回を追うごとに効いてくる
作画の「体力」が異常だという話
2期でいちばん驚いたのは、24話ぶっ通しで作画の水準が落ちないことだ。ふつう1クールのアニメは、序盤に力を入れて中盤で息を抜き、最終話でもう一度上げる。ダンダダンにその配分がない。人喰いミミズとの戦いも、火山の噴火も、メイドカフェの日常回も、最終話のロボット戦も、全部同じ密度で動く。
これは称賛としてまず書いておきたい。1期の放送終了が2024年12月、2期の開始が2025年7月。1年経たずに次の12話が出てきて、しかも質が落ちていない。近年のヒットアニメが次シーズンまで2年3年かかるのが当たり前になっていることを思えば、サイエンスSARUがやっていることの異常さがわかる。
特に感心したのは邪視の造形だ。ジジに取り憑いた邪視は、上半身裸にブリーフ一丁という、字面だけ見ればふざけているとしか思えない姿をしている。それが動き出すと本気で怖い。デザインの馬鹿馬鹿しさと、作画の真剣さの落差——この落差こそがダンダダンという作品の正体で、2期でもそこは一ミリもブレていない。水に触れた瞬間に変身するギミックも、変身する側の嫌がりようも含めて、毎回きちんと笑わせてくる。
キャラクターの表情も1期より粘っこくなった。モモがオカルンを意識してしまったときの、目線を外す速度。オカルンが余計なことを言ったあとの、口の端の下がり方。戦闘以外の何気ないカットに手数が増えているのは、観ていて素直に嬉しかった。
1クールでジャンルを三周する節操のなさ
前半は山あいの村の土着信仰ホラー、中盤は学校と町を舞台にした怪談、後半はSF大怪獣バトル。普通なら3クールぶんの題材を、12話に詰めている。しかも各パートに元ネタがあり、ロボットが立ち上がる場面の構図はあきらかにロボアニメの作法をなぞっているし、山の神が出てくる場面はジブリのあの作品を思わせる。気づいた瞬間に笑える仕掛けが、常に画面のどこかに置いてある。
この節操のなさが、ダンダダンを「アニメ好きだけのもの」にしていない理由でもある。特撮が好きな人、ロボットが好きな人、ホラーが好きな人が、それぞれ別の入口から入ってこられる。後半の怪獣戦だけを目当てに観ても、それはそれで成立する作りになっている。
——と、ここまでは1期のレビューでも書いた言葉で褒められてしまう。裏を返せば、2期になって新しく増えた美点はそれほど多くないということでもある。
深いテーマ
ダンダダンに出てくる怪異は、たいてい誰かの土地や家族に紐づいている。邪視もまた、ジジの家が長いあいだ抱え込んできたものだ。妖怪も宇宙人も等しく殴り合う作品なのに、根っこにあるのは「その土地で暮らしてきた人たちが、何を語り継いできたか」という、かなり地味で古い話である。2期の前半が土着信仰から始まるのは、たぶん偶然ではない。
🎭 印象的なシーン
一つめは第16話。モモが追い詰められた場面に、1期で関わってきた者たちが次々と駆けつけてくる。人体模型も、カニも、あの婆さんたちも来る。1期を観た人間にしか効かない回収で、しかもUFOから降りてくるという登場のさせ方がふざけている。真剣なピンチのはずなのに笑いながら観ていた。
二つめは第18話、邪視を祓うためのお囃子の場面。ここが今期でいちばん好きだ。放送当時に権利まわりで話題になった箇所でもあるが、そういう外野の話を抜きにして、アニメーションと音楽が噛み合ったときの快感が全部詰まっている。祭囃子のリズムに合わせて画面が跳ね、演奏する側も祓われる側も全員が全力でおかしい。筆者はこの回だけ配信で三度戻して観た。
祭りの音で怪異を祓う。理屈ではなく、鳴っている音の強さで押し切る。この作品の一番良いところが、あの数分に出ている。
三つめは最終話、キンタロボと宇宙怪獣の戦い。操縦席の計器はろくに機能せず、乗り手のイメージだけで巨大ロボが動く。ロボアニメが何十年もかけて積み上げてきた「気合いで動く」という文法を、まったく照れずにやりきっている。ここは特撮やロボットに思い入れがある人ほど声が出るはずだ。
💭 視聴後の感情
第3期の放送が2027年と知ったとき、少しほっとした自分がいた。1期の最終話を観たときは「早く続きを出してくれ」しか思わなかったのに、である。この差が、2期に対する自分の評価をそのまま表している。
面白くなかったわけではない。毎週きちんと楽しみにしていたし、観逃した週はない。ただ、最終話のスタッフロールを眺めながら口をついて出たのが「早く続きを」ではなく「一回休ませてくれ」だった。好きな作品に対してこうなったのは、正直なところ意外だった。
今すぐ観たい方はU-NEXTで1期から一気に視聴できる(31日間無料)。
こんな方におすすめ!
- 1期のあの終わり方で止まっていて、続きを観るか迷っている人
- 物語より「絵がどう動くか」を目当てにアニメを観る人(特におすすめ)
- じれったい距離感の恋愛描写が好きな人。2期は明確に一歩進む
- 特撮・ロボットもの育ちで、アニメはあまり観てこなかった人
😅 ここが惜しい
12話が、全部サビだった
これが本題だ。2期に足りなかったのは静かな時間だ。毎話どこかで誰かが叫び、殴り、新キャラが出てきて、次の謎が置かれる。テンションが一度も下がらない。曲でたとえるなら、イントロもBメロもなく12話ぶんずっとサビが鳴っている状態である。
1期はこの速度が武器だった。世界のルールがまだ分からない段階では、次に何が出てくるか予想できないこと自体が快感になる。ところが2期では、こちらがもう「何が出てきてもおかしくない」と学習してしまっている。同じ速度で走られても、驚けない。宇宙怪獣が出てきても「まあ出るだろうな」と思ってしまった時点で、速さは効かなくなる。
ここで一度立ち止まっておきたい。これは作品側だけの問題ではなく、観る側が慣れた結果でもある。1期を絶賛した人間が言うのだから始末が悪いのだが、飽きはたいてい、対象の質が落ちたときより、こちらの目が慣れたときにやってくる。それでも、2期がその慣れに対して何も手を打たなかったのも事実だ。緩急さえあれば、同じ素材でもう一段面白くなったはずである。
中盤の足踏み。ただしお囃子回は例外
邪視をめぐる前半は、正面から戦うパートが終わったあとに準備と特訓の時間が続く。バイト回、修行回、日常回。ここで一度、物語の足が止まる。キャラクターを掘るための時間だというのは分かるのだが、他のパートの速度が速いぶん、この停滞が余計に長く感じられた。
ただし、その中にあるお囃子の回だけは別格だ。世間ではこの周辺を「間延びしている」と評する声もあるし、放送当時は別の理由でも騒がれた。それでも筆者は、あの数分のために2期を観てよかったと思っている。足踏みしているように見える区間の真ん中に、シリーズ屈指の場面が埋まっている。この配置の不器用さも含めて、いかにも2期らしい。
2期連続の「置き逃げ」エンド
最終話、物語がいちばん動き出したところで終わる。1期とまったく同じ手だ。1期のときは「そこで切るのか」という驚きが先に来て、それ自体が話題になった。2期でも同じことをやると、驚きは様式に変わる。次が2027年だと分かっている状態でこの引きを見せられると、さすがに置いていかれた気分になる。
加えて、スケールの膨らませ方にも限界が見え始めている。妖怪と宇宙人の喧嘩だったものが、2期では宇宙怪獣と巨大ロボの戦いになった。何でもありは強みだが、何でも出せるようになると、出てきたときの衝撃は薄まる。3期で怪獣より上を出そうとすると、いよいよ苦しくなるはずだ。
ここが残念…
- 12話を通してテンションが一定で、緩急がほとんどない
- 邪視編の中盤に準備・特訓パートが続き、足が止まる
- 1期と同じ「いいところで終わる」を繰り返したため、驚きが様式になった
- 怪獣・ロボまで出したことで、次に出せる札が減っている
こんな方には向かないかも…
- 1期を観ていない人。2期は13話目から前提説明なしで始まる
- 一つの物語がきれいに閉じるのを求める人。2期も途中でぶつ切りになる
- 下ネタや口の悪い罵り合いが続くと疲れる人。2期はその濃度が上がっている
サウンドトラック購入先
音楽は牛尾憲輔。第2期のサントラは「オリジナルサウンドトラック 2」として2025年10月8日にリリース済み。下記は第1期分のサントラで、あの音の作りが好きならこちらから入るのが早い。
- Spotify:配信あり
- Apple Music:配信あり
🎬 「ダンダダン 第2期」が好きなら絶対見るべき3選
シン・ゴジラ
2期の後半で完全に大怪獣ものへ舵を切ったダンダダンを面白がれたなら、こちらは同じ題材を真顔でやりきった一本だ。巨大な生き物が街を壊すという一点だけで2時間持たせている。ダンダダンがギャグとして処理した恐怖を、正面から描くとこうなる。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
ダンダダンの最終話にあるロボットと少女の組み合わせは、この系譜の上にある。正体不明の敵と、乗りたくない乗り手と、大人の事情。ダンダダンが軽やかにパロディとして使っている要素を、重さの側から作るとこうなるという見本で、アニメをあまり観ない人が一本目に選んでも入りやすい。
もののけ姫
2期前半の山と祟りの気配は、明らかにこの作品を意識している。土地に棲むものを人間が怒らせる、という骨格が同じだからだ。ダンダダンが数分のパロディで済ませた部分を2時間かけて描いているので、あの村の話にぞくりとした人ほど刺さる。
📺 配信サービス別・視聴ガイド
『ダンダダン 第2期』はどのサブスクで観るのがおすすめ?
結論から言うと、Amazon Prime Videoで見放題配信中だ(2026年8月3日時点)。プライム会員なら追加課金なしで全12話観られる。1期も同様に見放題対象なので、通しで一気に走ることもできる。
ただし2期は13話目から前提説明なしで始まるため、1期を観ていない・記憶が薄い場合は合計24話ぶんの時間を見込んでおいたほうがいい。まとめて観るつもりなら、無料体験期間が31日間と長いU-NEXTのほうが余裕を持って走り切れる。どちらも無料体験の範囲内で完走できる分量だ。
視聴はこちらから
- U-NEXT (31日間無料体験):見放題
- Amazon Prime Video (30日間無料体験):見放題
- Disney+:見放題
- Hulu:見放題
- Netflix:見放題
📚 原作情報
原作は龍幸伸の『ダンダダン』(少年ジャンプ+連載・既刊24巻/2026年6月4日発売の第24巻が最新)。アニメ2期は原作9巻の71話までを映像化しているので、続きは同じ9巻の72話から読める。10巻ではなく9巻を買うのが正解だ。3期の放送は2027年予定なので、待てない人は先に読んでしまってもいい。
📝 まとめ
『ダンダダン』第2期は、1期より弱い。ただし理由は作画にない。絵はむしろ上がっている。それでも12話ずっと同じ速度で走り続けたせいで、こちらの目が先に慣れてしまった。速さが武器の作品にとって、観客が速さに慣れることは、たぶんいちばん厄介な事故だ。
それでも観る価値はある。お囃子の数分と、最終話のロボット戦。この二つを観るためだけに12話を走ってもいい。1期を観ていないなら1期から。1期で止まっているなら、期待値を1期のときより少しだけ下げて戻ってきてほしい。そのほうがこの12話は正しく楽しめる。筆者は3期も観る。2027年まで少し休めるのは、むしろちょうどいい。
⭐ 作品の特徴
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| 作画・アニメーション | ★★★★★ |
| ストーリー | ★★★☆☆ |
| テンポ・緩急 | ★★☆☆☆ |
| キャラクター | ★★★★☆ |
| 音楽・主題歌 | ★★★★★ |
| 初見のとっつきやすさ | ★★☆☆☆(1期必須) |
うさぎ亭的おすすめ度
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐☆☆☆
7.2 / 10
絵は1期超え、緩急は1期以下。お囃子の数分だけで観る理由になる。