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全3期でいちばんしんどいのが、この2期だ。
1期は連載を勝ち取ったところで終わった。2期はその続きから始まる。ところが待っているのは、担当編集の交代、噛み合わない打ち合わせ、不本意な作品、そして病による休載だ。1期のあの快進撃を期待して再生すると、面食らうことになる。勝ったあとの停滞を、25話まるごと描くのがこのシーズンだからだ。
ストレスの溜まるシーンが多い。それでも完走してみると、1期とは種類の違う緊迫感がちゃんと残る。そして、これは完全に個人的な話だが、平丸一也が出てきたことが嬉しかった。努力と根性の漫画家しかいなかったこの世界に、ようやく共感できる人が現れた。
📺 『バクマン。』アニメ2期の配信状況【2026年8月版】
| サービス | 配信状況 | 無料体験 |
|---|---|---|
| U-NEXT | 見放題 | 31日間 |
| DMM TV | 見放題 | 14日間 |
| dアニメストア | 見放題 | 31日間 |
| Amazon Prime Video | プライム特典は対象外(アニメタイムズ加入で視聴可) | 30日間 |
| Netflix | 配信なし | なし |
2026年8月14日時点で、表に挙げた主要サービスのうち追加課金なしで全25話を追えるのはU-NEXT・DMM TV・dアニメストアの3社。1期とまったく同じ並びで、dアニメストアでも1期・2期とも全話が見放題になっている。シリーズを通しで観るつもりなら、最初からこの3社のどれかで始めたほうが早い。配信状況は変動するため、最新情報は各サービスの公式サイトでも確認してほしい。
👉 各サービスの詳細な違いはVOD比較7社徹底解説を参照。
今すぐ観るならU-NEXT(31日間無料体験)が早い。1期25話・2期25話で約20時間あるので、無料期間内に終えられなくはないが、生活のペース次第ではなかなか厳しい。
まだ1期を観ていないなら、順番はそちらが先だ。『バクマン。』1期のレビューで、この作品が何を面白がっている話なのかを書いている。
🎬 予告編
1期と同じく、2011年放送の第2シリーズも公式予告編が見つからなかった。そのため、原作連載15周年を記念して集英社が公開した公式PVを掲載している。なお2期のオープニングは伊藤祥平の「Dream of Life」で、1期のしっとりした主題歌から一転して押し出しの強い曲になった。この変化が、そのままシーズンの空気を表している。
この作品を3行で
- 連載を取ったあとに待っていた、停滞と失敗の25話
- 担当編集が交代し、仕事の進み方そのものが変わる
- 脇の漫画家たちに物語が与えられ、群像劇として厚くなる
作品情報
- 作品名:バクマン。(第2シリーズ)
- 放送:2011年10月1日〜2012年3月24日/NHK Eテレ/全25話
- 監督:カサヰケンイチ・秋田谷典昭/シリーズ構成:吉田玲子
- 原作:大場つぐみ・小畑健(週刊少年ジャンプ/全20巻・完結済み)
- アニメーション制作:J.C.STAFF
- 主題歌:OP「Dream of Life」伊藤祥平/ED「monochrome rainbow」Tommy heavenly6・「パラレル=」指田郁也
- 声の出演:阿部敦(真城最高)/日野聡(高木秋人)/森田成一(平丸一也)/桐井大介(港浦吾郎)/志村知幸(中井巧朗)/川澄綾子(蒼樹紅)

📖 あらすじ・ネタバレなし
週刊少年ジャンプでの連載を勝ち取った真城最高と高木秋人。夢の入口に立った二人を待っていたのは、毎週締切が来るという当たり前の現実だった。アンケート順位は容赦なく出る。人気が落ちれば打ち切りの話が現実味を帯びてくる。1期であれほど遠かった「連載作家」という肩書きは、手に入れた瞬間から守るべきものへ変わった。
そこへ担当編集の交代が重なる。二人を見出した服部の代わりに就いたのは、編集部に配属されて2年目の港浦だった。方針は噛み合わず、打ち合わせは空回りし、描きたいものと描かされるもののあいだで距離が開いていく。同時に、周囲の漫画家たちにもそれぞれの浮き沈みが訪れる。25話が描くのは、夢を掴んだ人間がその夢を回し続けようとして、何度も失敗する過程だ。
✨ この作品の魅力
ここがすごい!
- 担当編集が代わるだけで、仕事の中身がここまで変わると見せてくる
- 主人公以外の漫画家にも、連載と打ち切りの物語が与えられる
- 平丸一也という、努力も根性もない天才が投入される
- 失敗を重ねながら、二人が自分たちの型を見つけていく
担当が代わるだけで、仕事はここまで変わる
2期でいちばん効いているのは、担当編集が服部から港浦に代わることだ。
1期の服部は、根拠を持って弱点を指摘し、直す方向まで一緒に考える編集者だった。港浦は違う。彼は彼なりに一生懸命なのだが、方針がぶれる。作家の持ち味が出ている部分より、数字が取れそうな方向へ引っ張ろうとする。打ち合わせのたびに二人の顔が曇り、原稿が本来の姿から離れていく。担当が代わっただけで、同じ作家が同じ熱量で描いていても結果が変わる。この理不尽が、シーズンを通して効いてくる。
面白いのは、港浦が悪役として描かれないことだ。彼は編集部に来て2年目で、上からの評価に追われている。作家を守る立場と、数字を出す立場の板挟みになり、どちらも中途半端に終わる。観ているあいだは終始うざいキャラに見えていたが、配属2年目という設定を知った途端に憎めなくなった。自分の2年目を思い返せば、あそこまで動けていたかどうか怪しい。上司ガチャの話をしているつもりが、いつのまにか「自分は誰かにとっての港浦ではなかったか」という問いに変わっている。
そしてこの交代が、二人の作品そのものを変えていく。得意ではない方向で勝負させられ、当然うまくいかない。だがその失敗の積み重ねが、最終的に自分たちの型を見つける材料になる。停滞に見えていた期間が、あとから試行錯誤の記録として読み替わる瞬間がある。ここが2期のいちばん良いところだ。
主人公以外の漫画家に、ちゃんと物語がある
1期では背景に近かった漫画家たちが、2期では各自の連載と順位を抱えて動きはじめる。
とくに容赦がないのが中井の筋だ。夢を諦めきれない年上のアシスタントが、どこで踏みとどまれたのかを一つずつ潰されていく。不運と自業自得が半分ずつ混ざっていて、見ていて苦しい。この作品が「夢を追えば報われる」という話ではないことを、彼が一人で引き受けている。脇役に厳しい現実を背負わせることで、主人公たちの成功が甘くならずに済んでいる。
一方で、蒼樹紅のように印象が大きく変わるキャラクターもいる。1期でとがっていた彼女の表情が2期でやわらかくなり、その落差が効く。福田は相変わらず熱く、周囲を巻き込みながら前へ進む。それぞれに連載があり、それぞれに順位が出る。群像劇として厚くなったぶん、1話あたりの情報量も上がっている。
平丸一也という例外
そして平丸一也である。
この作品の漫画家は、基本的に全員が努力と根性の人だ。徹夜を厭わず、締切に追われ、それでも机に向かう。そこへ、一度当ててしまったせいで働く理由を失った男が入ってくる。描きたくない。休みたい。担当の吉田がなだめ、すかし、脅し、それでも動かない。夢に追われていない漫画家は、この作品で彼だけだ。才能はあるのに、それを使う理由を本人が持っていない。
平丸と吉田のやりとりは、シリアスが続く2期のなかで数少ない息継ぎになっている。笑いながら観ていた。ここが挟まるおかげで、重い回のあとでも次を再生できる。
深いテーマ
1期が「夢を掴むまで」なら、2期は「掴んだものを回し続けようとして失敗する期間」だ。不本意な題材を任され、体を壊し、周囲に置いていかれる。ただ、その失敗はどれも同じ形をしていない。一つずつ違う失敗の仕方をして、そのたびに「これは自分たちの戦い方ではない」と分かっていく。25話かけてやっているのは、消去法で自分の型を見つける作業だ。停滞しているように見えるのは、答えに近づいている最中だからで、ここを飛ばすと3期の爆発は成立しない。仕事でも同じことが起きる。何が向いていないかを知るのに、たいてい数年かかる。
🎭 印象的なシーン
港浦との噛み合わない打ち合わせ。言っていることは間違っていない。数字の話も、読者の話も、まっとうではある。それでも作家の顔が晴れない。正しさと納得がずれる瞬間が、この作品でいちばん仕事っぽい場面だ。
平丸と吉田の攻防。描かせたい担当と、描きたくない作家。この一組だけ完全にコメディの文法で動いていて、シーンの温度が変わる。吉田が繰り出す手管がだんだんエスカレートしていくのも楽しい。
体を壊して休載に入る場面。連載を守るために無理を重ねた結果が返ってくる。ここまで走り続けてきた作品が、初めて止まる。止まったあとに何を選ぶかで、その後の展開が決まっていく。
💭 視聴後の感情
観終わって残るのは、達成感ではなく疲労感に近い。ただしそれは作品の出来が悪いという意味ではなく、25話ぶんの停滞を一緒に背負わされたということだ。1期の高揚とはまったく別の手触りが、たしかにここには残る。
そして最終話まで来ると、この期間が何だったのかが分かる形になっている。回り道をさせられていたわけではなく、必要な回り道だった。そう思えるかどうかで、2期の評価はかなり変わる。
今すぐ観たい方はU-NEXTで視聴可能(31日間無料体験)。
こんな方におすすめ!
- 一度成果を出したあと、停滞している人
- 週刊連載の裏側や、編集部の力学を知りたい人
- 脇役に物語が配られる群像劇が好きな人
😅 ここが惜しい
恋愛パートが、1期よりさらに乗りにくい
1期で引っかかったヒロインの描き方は、2期でも解消されない。会わないままの約束は続いたまま、そこに新しい人物の思惑まで加わった。仕事のパートがこれだけ生々しくなったぶん、恋愛パートだけ別の温度で進んでいるように見える。ここが好きになれないと、シーズン全体のテンポも重く感じる。私はここに乗れなかった。
キャラクターの性格が、ときどきぶれる
登場人物が増えて話が長くなったぶん、同じ人物の言動が回によって食い違って見えることがある。前はこう考えていたはずの人が、今回は逆のことを言う。物語の都合が先に立っている場面が、正直なところ何度かあった。群像劇として厚くなった代償と言ってしまえばそれまでだが、引っかかる人は引っかかる。
ストレスの溜まる回が続く
そして最大の難点がこれだ。うまくいかない、噛み合わない、報われないという回が連続する。1期のようにテンポよく前へ進む快感を期待していると、途中で置いていかれた気分になる。停滞を描くという狙いは分かる。ただ、それを25話やりきるのは観る側にも骨が折れた。ここで脱落する人がいても不思議ではない。
ここが残念…
- 恋愛パートが1期よりさらに乗りにくい
- 人物の言動が回によってぶれることがある
- 報われない回が続き、シリーズで最も停滞感がある
こんな方には向かないかも…
- 1期の勢いをそのまま続けて味わいたい人
- うまくいかない展開が続くのが苦手な人
- ここから観はじめようとしている人(1期が前提の話が多い)
🎬 「バクマン。2期」が好きなら絶対見るべき3選
セッション
指導する側が作家を潰しにかかるという点で、港浦の対極にいる存在がここにいる。港浦は善意で空回りするが、こちらの指導者は意図して追い込む。才能を引きずり出す方法として、どちらが正しいのかを考えさせられる。2期の打ち合わせシーンに苛立った人ほど、この映画の音楽室で息が詰まるはずだ。
ハイスコアガール
好きなものに時間を注ぎ込む少年少女を、同時代の空気ごと描いた作品。こちらは対戦ゲームが舞台で、勝ち負けがその場で出る。バクマン。の恋愛パートに乗れなかった人には、会話が成立しない相手との距離の縮め方という点で、こちらのほうが素直に入ってくるかもしれない。
SHIROBAKO
バクマン。が漫画制作の裏側を描くなら、こちらはアニメ制作の現場を描く。締切、間に合わない進行、噛み合わない意見、それでも納品される作品。群像劇として一人ひとりに事情が配られている点も2期と重なる。仕事の話として観たいなら、この2本は続けて観る価値がある。
📺 配信サービス別・視聴ガイド
『バクマン。』シリーズを通しで観るなら、どのサブスクがおすすめ?
2期だけを単体で観る人は少ないはずなので、シリーズ全75話をどう追うかで考えたい。
結論から言えば、3シリーズすべてを見放題で追えるのはU-NEXT・DMM TV・dアニメストア・バンダイチャンネルの4社だ。全75話で約30時間あり、無料体験だけで走りきるのはかなり急ぎ足になるので、1〜2か月は契約する前提で選ぶことになる。月額で選ぶならDMM TVの550円が安い。無料体験の長さと、原作漫画も同じアプリで購入して読める点を取るならU-NEXTの31日間が使いやすい。
アニメ専門のdアニメストアでも1期・2期とも見放題なので、観るのがアニメだけならこちらでもいい。気をつけたいのはAmazonプライム・ビデオで、プライム会員の特典だけでは観られない(アニメタイムズへの加入が別途必要)。
視聴はこちらから
- U-NEXT (31日間無料体験):見放題
- DMM TV (14日間無料体験):見放題
- Amazon Prime Video (30日間無料体験):プライム特典は対象外(アニメタイムズ加入で視聴可)
- Netflix:配信なし
- dアニメストア:見放題
📚 原作情報
原作は大場つぐみ・小畑健による全20巻で、すでに完結している。アニメは3シリーズで原作の最後まで映像化されているので、話の続きが気になるならアニメ3期へ進めばいい。それでも原作を勧めたいのは、小畑健の描く原稿・ペン先・スクリーントーンの密度が、紙で読むとまったく違って見えるからだ。作中の漫画が「読みたくなる」感覚は、原作のほうが強い。
📱 電子でまとめ読みするならBOOK☆WALKERが初回購入50%コイン還元で安い。全20巻を揃えるつもりなら、この差はばかにならない。
📝 まとめ
連載を勝ち取ったところから始まって、担当が代わり、方針がぶれ、体を壊し、周囲の漫画家たちもそれぞれに落ちたり浮いたりする。シリーズで最も停滞するのがこの2期で、観ていていちばん疲れるのもここだ。1期の駆け上がっていく快感を期待して入ると、間違いなく面食らう。
それでも切り捨てられないのは、この停滞が空回りではなく試行錯誤だからだ。何が向いていないかを一つずつ潰していく25話があるから、3期の勝負が意味を持つ。そして平丸一也が入ってきたことで、張り詰めていた空気に隙間ができた。笑える回があるおかげで、重い回を越えられる。しんどいシーズンだが、飛ばすと確実に損をする。
⭐ 作品の特徴
| 項目 | 評価 |
|---|---|
| キャラクターの厚み | ★★★★★ |
| 仕事ものとしてのリアリティ | ★★★★★ |
| ストーリー | ★★★☆☆ |
| テンポ | ★★☆☆☆ |
| 単体での完結性 | ★★☆☆☆ |
うさぎ亭的おすすめ度
⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐☆☆☆
7.0 / 10
勝ってからのほうが長い。それを25話やりきった停滞の記録。