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『オデッセイ』火星に一人。それでも笑う男の生存術【感想】

※本ページはプロモーションが含まれています

「問題をひとつひとつ解決していけば、家に帰れる」——火星に一人取り残された男が、絶望を"解決可能な課題の集合体"に変換し、科学と知性とユーモアで生き延びる。『オデッセイ』は、観る者に「諦めない」ことの力を、押しつけがましくなく、むしろ爽快に教えてくれる稀有な作品である。

重くなりがちな宇宙サバイバルを、マーク・ワトニーの超絶ポジティブな思考が救う。どんな絶望的状況でも「まず始める。次の問題に取り組む」と前を向く彼の姿は、火星という極限環境を超えて、私たちの日常にも響く普遍的なメッセージを持っている。

🎬 予告編

📌 この作品を3行で

この作品を3行で

  • 火星に一人取り残された植物学者のサバイバル
  • 科学と知性とユーモアで絶望を乗り越える
  • 人類の団結と希望を描くポジティブSF

作品情報

  • 作品名:オデッセイ(原題:The Martian)
  • 公開年:2015年
  • 監督:リドリー・スコット
  • 主演:マット・デイモン
  • 上映時間:142分
  • 原作:アンディ・ウィアー『火星の人』

📖 火星版ロビンソン・クルーソー——あらすじ

2035年、NASAの有人火星探査ミッション「アレス3」。植物学者のマーク・ワトニーは、猛烈な砂嵐の中で飛来物に直撃され、クルーたちから死亡したと判断される。やむなく火星を離脱したチーム。しかしワトニーは生きていた。酸素は少なく、水も通信手段もなく、食料は31日分。次の探査船が火星に来るのは4年後。

絶望的な状況の中、ワトニーは植物学者としての知識を総動員し、火星の土に排泄物を混ぜてジャガイモを栽培、水素と酸素から水を生成する。「火星よ、我が植物学パワーを恐れるがいい」——そう宣言した男の、科学を武器にした壮絶なサバイバルが始まる。

✨ 『オデッセイ』の魅力

ここがすごい!

  • 絶望を"解決可能な問題"に分解する思考法
  • 植物学者の知識が命を救う——科学が武器になる爽快感
  • 絶望的なのに明るいサバイバル——リドスコ異色のポップさ
  • 70年代ディスコミュージックの絶妙な使い方

絶望を"解決可能な問題"に分解する思考法

本作の核心は、ワトニーの思考法にある。「死ぬかもしれない」という漠然とした恐怖を、「水をどう作るか」「食料をどう確保するか」「通信手段をどう復旧させるか」という具体的な課題に分解していく。一つ解決したら次の問題へ。この姿勢こそ、本作が単なるSFサバイバルを超えて、観る者の人生にも応用できる普遍的な教訓を持つ理由である。

ラストシーンでワトニーが訓練生に語る言葉は、まさにこの映画のすべてを凝縮している。「まず始める。問題を1つ解決したら次の問題に取り組む。そうしたら家に帰れる」——シンプルだが、真理。

科学が"武器"になる爽快感——植物学者の底力

火星の土に人糞を混ぜてジャガイモを育てる。水素を燃焼させて水を生成する。16進法を使って地球と通信する。ワトニーは植物学者であり、宇宙飛行士としての幅広い知識を持つ。その知識が、一つひとつ、生存のために機能していく様は、「勉強って大事だな」と心から思わせてくれる稀有な映画体験である。

「幸いボクは植物学者。火星よ、ボクの植物学パワーを恐れるがいい」——この台詞に代表されるように、ワトニーは自分の武器を自覚し、フル活用する。頭の良さが人を救う、という構図が実に気持ちいい。

絶望的なのに、まるで明るいサバイバル生活

リドリー・スコット監督といえば、『エイリアン』『ブレードランナー』など、冷厳でシリアスな作風で知られる。しかし本作は驚くほどポップで明るい。火星に一人取り残されるという絶望的状況なのに、ワトニーはジョークを飛ばし続け、ディスコミュージックをBGMに作業する。

この明るさは、意図的な演出だ。前半の陽があるからこそ、終盤の救出シーンの静謐さが際立つ。宇宙の「神聖さと怖さが完璧に同じ概念として存在する」瞬間を、反動で魅せている。

70年代ディスコミュージックの絶妙な使い方

船長が火星に残していった「趣味の悪い」音楽コレクション——ドナ・サマーの「Hot Stuff」、ABBAの「Waterloo」、デヴィッド・ボウイの「Starman」。ワトニーは文句を言いながらも、これらの曲に救われていく。

そしてエンドロールで流れるグロリア・ゲイナーの「I Will Survive」「恋のサバイバル」という邦題を持つこの曲が、火星でのサバイバルを締めくくる。選曲のセンスが絶妙すぎて、鳥肌が立つ。

🎭 印象的なシーン

「芽が出た……」

火星という死の惑星で、緑の芽が土を割って顔を出す。その葉についた水滴。生命の誕生を目撃する、静かだが圧倒的に感動的なシーンである。だからこそ、その後訪れる「全部吹っ飛ぶ」展開が、観る者の心を抉る。希望が一瞬で崩壊する残酷さと、それでも諦めないワトニーの姿が、この映画の真髄である。

そして終盤、「船長、アイアンマンやりましょう」と宇宙空間を漂うワトニー。手に汗握る緊張感の中でも、ユーモアを忘れない。また、地球では「彼は今何を思っているのだろう」と心配されている頃、火星ではシャワーを浴び終えてノリノリで音楽を聴いているワトニー——このギャップこそ、本作の魅力を象徴している。

💭 視聴後の感情

観終わった後、不思議と元気が出る。自分の悩みがちっぽけに思えてくる。「何か地球で色々悩んでいる自分がアホらしくなる。空気も水も食料もあるじゃねぇか」——あるレビュアーの言葉が、この映画の効能を端的に表している。

本作が提示するのは、「知性とユーモアがあれば、人類はどんなことでも乗り越えていける」という、人類が到達しうる最も美しいメッセージ。『ショーシャンクの空に』が「希望」への鍵として「意志」を提示したなら、『オデッセイ』が提示するのは「知性とユーモア」。どちらも大事だ、ほんとに。

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こんな方におすすめ!

  • 仕事や人生で行き詰まりを感じている人——問題を分解して解決する思考法が心に刺さる
  • 宇宙・SF映画は好きだが、難解すぎるのは苦手な人——ポップで明るいSFの入門編
  • チームワークや仲間の絆に感動したい人——一人のために世界が動く熱い展開

😅 ここが惜しい…

緊張感の持続に課題

ここが残念…

  • ワトニーの軽さゆえに、緊張感を持続させるシーンが少ない
  • ピンチもチャンスも展開がやや作為的——ハリウッド的ご都合主義
  • 142分は長い——NASAの会議シーンでダレる瞬間あり

ワトニーの超絶ポジティブな性格は本作の魅力だが、裏を返せば「死と隣り合わせ」という恐怖が薄れる原因にもなっている。ピンチが訪れても「まあ大丈夫だろう」という感覚で観てしまい、実際に大丈夫な結果が待っている。『ゼロ・グラビティ』のような終始漂う緊迫感を求める人には、やや物足りないかもしれない。

また、各国が協力していく展開は熱いものがあるが、掘り下げは不足している感もある。142分という長尺の中で、NASAの会議シーンが繰り返されるあたりは、テンポが落ちる。

こんな方には向かないかも…

  • 終始緊張感が張り詰めた宇宙映画を求める人
  • 科学的なリアリティを厳密に求める人
  • 2時間超の映画が苦手な人

サウンドトラック購入先

  • Spotify:配信あり(Harry Gregson-Williams「The Martian: Original Motion Picture Score」)
  • Apple Music:配信あり

🎬 『オデッセイ』が好きなら絶対見るべき3選

ゼロ・グラビティ

宇宙空間に放り出された女性宇宙飛行士の90分間——『オデッセイ』とは対照的に、終始緊張感が張り詰めたシリアスな宇宙サバイバル。「取り残され系」の王道として、両作を比較して観ると面白い。『オデッセイ』のポップさを再認識できるはずだ。

LIFE!/ライフ

空想癖のある平凡な男が、人生最大の冒険に踏み出す——『オデッセイ』と同じく、観終わった後に前向きな気持ちになれる作品。「一歩踏み出す勇気」というテーマが共通しており、ポジティブなメッセージを求める人におすすめ。

ドリーム

NASAを支えた黒人女性数学者たちの実話——『オデッセイ』と同じく、知性で壁を突破していく爽快感がある。チームワーク、科学の力、諦めない精神。宇宙開発を舞台にした感動作として、セットで観てほしい一本。

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📺 『オデッセイ』はどこで見れる?配信状況

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📊 配信サービス比較

サービス配信状況備考
Disney+見放題20世紀フォックス作品
Amazon Prime Videoレンタル購入も可
HuluレンタルHuluストア
U-NEXT配信なし

👉 各サービスの詳細な違いはVOD比較7社徹底解説を参照。

📝 まとめ

『オデッセイ』は、火星に一人取り残された男のサバイバルを描きながら、その実、「問題をひとつひとつ解決していけば、道は開ける」という普遍的なメッセージを届けてくれる作品である。マーク・ワトニーの超絶ポジティブな思考は、重くなりがちなストーリーを救い、観る者に爽快感と勇気を与える。

緊張感の持続という点では課題を残すものの、科学と知性とユーモアで困難を乗り越えていく姿は、宇宙という極限環境を超えて、私たちの日常にも響く。優秀な人々が人種や国家を超えて知恵を出し合い、一人の命を救うために団結する——その姿は、人類という種の可能性を信じさせてくれる。元気が欲しいとき、前向きになりたいとき、迷わず手に取ってほしい一本である。

⭐ 作品の特徴

項目評価
ストーリー★★★★☆
映像美★★★★☆
音楽★★★★★
キャスト★★★★☆
メッセージ性★★★★★
テンポ★★★☆☆

うさぎ亭的おすすめ度

⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐☆☆☆

7.2 / 10

火星で学ぶ問題解決思考。元気が欲しいとき、この映画を。

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