『ロッキー4』ディレクターズカット版との違い|ロボットは1場面も残らない

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先に答えを書く。ここで言うディレクターズカットは、スタローンが2021年に自分で組み直した『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』のことだ。未公開映像を約40分足し、そのぶん劇場公開版の映像を落としているので、完成した尺は1985年版の91分に対して94分と、ほとんど変わらない。いちばん分かりやすい変更は家政婦ロボットで、登場する場面が一つ残らず消えている。日本では2022年8月19日に劇場公開され、いまは4K UHDのボックスで観られる。

先に白状しておく。この映画を、筆者は公平に観られない。『クリード 炎の宿敵』が好きで、あの映画でドラゴ親子が背負っていたものは全部この4作目に置いてある。原点を知ったうえで戻ってきているので、単体の出来からすると甘い点が付いている自覚がある。だから褒める前に、気に入らなかった箇所から先に数える。

アポロの死は本当に必要だったのか。タオルを投げなかったロッキーの責任を、この映画は誰にも問わせない。レフリーがなぜ止めないのかも分からない。ドラゴをどう攻略するかという戦略は無いに等しく、勝ち方はタフさ一本。ラストの演説では冷めた。家政婦ロボットは存在ごといらない。ソ連との対立を持ち出す政治色も、いま観ると安っぽく映る。ここまで言っておいて、最終ラウンドではしっかり前のめりになっている。熱の量だけは、シリーズのどれにも負けていない。サントラが先にあって、映画があとから付いてきたような一本だ。

📺 『ロッキー4』の配信は?【2026年8月版】

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2026年8月24日時点で、定額の見放題で扱っているのはU-NEXTとHuluの2社。Amazon Prime Videoは購入とレンタルのみの扱いで、プライム会員特典の対象外だ。Netflix・Disney+はそもそも取り扱いがない。なお各社にあるのは1985年の劇場公開版だ。スタローンが2021年に再編集した『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』は、同じ時点で国内の配信サービスに見当たらない(後述の4K UHDボックスに収録されている)。配信状況は変動するため、最新情報は各サービスの公式サイトでも確認してほしい。

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配信先が決まったら、観る順番の話をひとつ。『クリード 炎の宿敵』を控えているなら、この91分が先だ。あちらの親子のあいだで何が相続されたのかは、『クリード 炎の宿敵』のレビューで答え合わせしてほしい。

🎬 予告編

1985年公開時の予告編は権利元の公式チャンネルに残っていないため、2021年にスタローン自身が再編集したディレクターズカット版『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』の公式予告を掲載している。使われている映像はほぼ本編のものだ。

この作品を3行で

  • シリーズ最短。半分近くが音楽に乗った特訓と回想でできている
  • 雪山と丸太のロッキー、電極とトレッドミルのドラゴ。台詞ゼロの対比
  • 『クリード 炎の宿敵』の因縁は、ここから始まっている

作品情報

  • 作品名:ロッキー4/炎の友情(原題 Rocky IV)
  • 公開年:1985年(日本公開は1986年6月7日)
  • 監督・脚本:シルヴェスター・スタローン
  • 音楽:ヴィンス・ディコーラ
  • 上映時間:91分
  • 出演:シルヴェスター・スタローン/ドルフ・ラングレン/カール・ウェザース/タリア・シャイア/バート・ヤング
ロッキー4/炎の友情 ポスター
出典:TMDB

📖 あらすじ(ネタバレなし)

ソ連からイワン・ドラゴという2メートル近い選手がアメリカに乗り込んでくる。国家プロジェクトとして作られたアマチュアで、プロの経験はない。その挑発に応じたのは、すでに引退していたアポロ・クリードだった。ラスベガスで組まれたのは記録に残らないエキシビションマッチ。ロッキーはセコンドに付く。そしてそのリングで、アポロは帰ってこなくなる。

ロッキーは王座を返上し、ソ連での非公式試合を受ける。試合日はクリスマス。会場はモスクワで、観客は当然すべて相手側だ。用意された最新設備のトレーニングセンターを断って彼が選んだのは、雪に埋もれた農家だった。ここから先の展開は、たぶん誰が予想しても当たる。それでも観てしまうのがこの映画のややこしいところだ。

🎞 ディレクターズカット版は何が違うのか|足した40分と、消えたロボット

2021年11月、スタローンは『ロッキー4』を自分の手で組み直した。タイトルは『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』。未公開素材を約40分ぶん足し、同じくらいの量を劇場公開版から抜いているので、通しの尺はほとんど動いていない。差し引きゼロに見えて、中身の並びは相当に入れ替わっている。画面比率も1.85:1のビスタから2.39:1の横長に変わっていて、同じカットでも見え方が違う。

1985年の劇場公開版2021年の再編集版
家政婦ロボット序盤から繰り返し登場出てくる場面をすべて削除
アポロの葬儀葬儀の場面ありデュークの弔辞を含めて拡張
試合後の演説演説のあと、ソ連の首脳陣が立ち上がって拍手拍手の場面は削除
画面比率1.85:1(ビスタ)2.39:1(シネスコ)
91分94分

消えたほうから見ていくと、狙いが分かりやすい。ポーリーの誕生日パーティ、ランボルギーニを洗いながら息子にボクシングを語る場面、ロシアへ発つ前の荷造り。これらはどれも家政婦ロボットが同席していた場面で、ロボットを抜くと場面ごと成立しなくなる。ロッキーの豪邸を見せるくだりや、アドリアンとの結婚記念日も落ちている。笑いに割り当てられていた部分がまとめて無くなるので、全体の温度はかなり下がる。

足されたぶんは、逆にほとんどが重いほうへ向かう。冒頭に置かれる『ロッキー3』の振り返りが長くなり、アポロの葬儀ではデュークが弔辞を述べる場面が入る。アドリアンの台詞が増え、アポロが試合を受けたがる理由を彼女が案じるやりとりが加わる。ドラゴの台詞も増えている。試合を受けるかどうかをめぐってボクシング・コミッションと話す場面や、ロッキーとアポロが二人だけで向き合う場面も、劇場公開版には無かったものだ。

もう一つ大きいのが、決着したあとの処理だ。演説そのものは残っているが、それを聞いたソ連の首脳陣が立ち上がって拍手する場面は削除されている。「メリー・クリスマス」で締める最後のやりとりも無くなった。勝った側が説教して会場全員が納得する、という1985年版でいちばん引っかかる構図は、再編集版では角が取れている

では、どちらを観るか。初めて通すなら1985年版で問題ない。定額配信で観られるのはそちらだけで、シリーズを順に追うときの基準もそちらになる。再編集版は、この映画を一度通った人が2周目に開くものという位置づけが近い。36年後に作者が自分の代表作を組み直した記録として見ると、足した場所より消した場所のほうが雄弁だ。

✨ この作品の魅力

ここがすごい!

  • 丸太・薪割り・雪山と、電極・トレッドミル・注射器が交互に映る特訓パート
  • 体格と無表情だけで絶望感を作るドルフ・ラングレン
  • 罵声だらけの敵地が、ラウンドを追うごとに揺れていく
  • 挿入歌がフルコーラスで流れ、映像とほぼ同じ長さ鳴り続ける

雪山と電極が、同じ画面に並べて置かれる

この映画で一番よく覚えられているのは試合ではなく、その手前の特訓パートだ。ロッキーは雪に埋もれた農家に入り、荷馬車を引き、丸太を担ぎ、斧で薪を割り、腰まで積もった雪の中を走る。ドラゴのほうは白い室内で、体中に電極を貼られ、トレッドミルの速度を数値で管理され、腕に注射を打たれている。この二つが、説明の台詞を一つも挟まずに交互に映る

やっていることは「根性 対 科学」というひどく単純な図式で、比喩としてはほとんど小学生の作文に近い。それなのに効く。理由は、対比がすべて画と音だけで組まれていることにある。誰も「文明に頼るな」とは言わない。斧が薪に食い込む音と、機械の電子音が交互に鳴るだけだ。言葉で念を押されないぶん、こちらは反論する隙を与えられない。気づくと雪の側に肩入れしている。

音楽の使い方もここに全部乗っている。ヴィンス・ディコーラの「Training Montage」は、日本では映画本編より高田延彦の入場曲として通っているくらいで、あのイントロが鳴った時点で勝負の8割は付いている。1曲まるごとフルコーラス流し、その尺に合わせて映像を切っていく作り方は、当時のMTVそのものだ。批判されるとしたらここで、91分のうち相当な時間がミュージックビデオに使われている。ただ、そのミュージックビデオが記憶に残るものになってしまった以上、失敗と呼びづらい。

ここで一度立ち止まっておくと、1作目でロッキーがやっていたのは早朝の生卵と精肉工場の冷凍庫だった。金がないから、そこにあるもので鍛えるしかなかった。4作目の雪山と丸太は、金があるのにあえて選んだ不便だ。同じ画に見えて意味は反転している。それを承知のうえで、雪山のほうがかっこいいと言い切ってしまったのがこの映画の割り切りで、そこは潔い。

ドルフ・ラングレンという発見

ドラゴは、アポロ以来はじめて「これは勝てないのでは」と思わせてくる敵だった。しかも説得力の作り方が力技で、身長・肩幅・拳の大きさをひたすら画で見せ、あとは表情を動かさないだけ。台詞は数えるほどしかない。人間味を足す作業を丸ごと放棄して、質量と沈黙だけでキャラクターを立ててくる。

これが本作以前ほぼ無名だったドルフ・ラングレンの出世作になったのは分かる話で、以降の映画でも彼はだいたいこの役をやらされ続けることになった。そして30年以上あとに、その息子がリングに上がる映画が作られる。あの続編を観たあとにここへ戻ってくると、無表情の裏に何があったのかを勝手に読み込んでしまって、初見とは別の顔に見える。

敵地の罵声が、声援に変わっていく

シリーズで初めての完全アウェイ戦だという点を、この映画は音で処理している。序盤、ロッキーが打たれるたびに会場が湧く。それが中盤で静かになり、終盤には向きが変わっている。拳より先に空気のほうが動いていて、勝敗が決まる前に勝負はもう付いている。

深いテーマ

「アメリカ礼賛のプロパガンダ」という批判は公開当時から付いて回っている。ただ、この映画でアメリカを背負ってリングに上がる二人が、黒人のアポロとイタリア系移民のロッキーだという点は見落とされやすい。1作目から一貫して、このシリーズは中心にいない側の人間の話だった。4作目で変わったのはそこではなく、ロッキーの立ち位置のほうだ。生活の匂いがする「人間」から、勝つことを期待される「ヒーロー」になった。賛否が割れる原因は政治の是非よりも、この移動にある。

🎭 印象的なシーン

① 星条旗とソ連旗のグローブが、正面衝突して爆散するタイトルバック。本編が始まる前に、この91分が何をやる映画なのかを台詞ゼロで宣言してしまう。品はない。ただ、あれを見せられたあとで「政治色が気になる」と言うのは、こちらの負けという気もする。

② 雪山を駆け上がって、頂上で叫ぶ。追ってくる者はいない。相手は数千キロ先の白い部屋にいる。にもかかわらず、これは競走として撮られている。編集だけで距離を消す荒業で、シリーズ全体を通しても指折りの画だ。

③ 罵声が声援に変わる瞬間。誰かが説得したわけでも、演説が効いたわけでもない。殴られても立ち上がる回数が一定を超えたところで、会場の音がひとりでに裏返る。この映画で唯一、理屈で説明できるかたちの感動が起きている場所だと思う。

💭 視聴後の感情

冒頭に並べた不満は、観終わったあとも一つも消えていない。それでいて、最終ラウンドの殴り合いに入ったあたりからこちらは完全に画面の側へ持っていかれていて、終わってからようやく「話としては何も起きていなかったな」と気づく。ドラゴがアポロ以来の「熱くなれる敵」だったことは、この映画がきちんと証明している。

観終わると、『クリード 炎の宿敵』をもう一度観たくなる。あちらでドラゴ親子が交わす短いやりとりは、この4作目を通っているかどうかで重さが何倍にも変わる。単体の完成度で言えばシリーズの中位以下だが、その位置にいたまま、後続の1本を決定的に良くしている。こういう作品の点の付け方は難しい。

雪山のくだりだけでも観る価値はある。U-NEXT(31日間無料体験)なら、追加料金なしでそのまま再生できる。

こんな方におすすめ!

😅 ここが惜しい

起承転結の「転」が、まるごと抜けている

物語の骨格は、アポロが倒れる、ロッキーが復讐を誓う、雪山で鍛える、モスクワで勝つ。これだけだ。前作までは相手をどう攻略するかの算段があった。3作目には、かつての敵から教わり直すという遠回りもあった。4作目にはそれがない。勝ち方の設計図がどこにも出てこないまま、殴られ続けた末に勝つ

もっと引っかかるのは、アポロが倒れた責任を誰も引き受けないことだ。タオルを投げなかったのはロッキーで、試合前にアポロから何があっても止めるなと約束させられていた事情はある。それにしても、あの判断の重さが作中で問い直される場面は見当たらない。レフリーが止めなかった理由も語られない。責任の所在に一行でも触れていれば、続くモスクワ行きは「償い」として立ち上がったはずだ。それを飛ばして復讐に直行するので、彼が背負っているものが最後まで曖昧なままになる。物語の芯になり得た場所を、いちばん短い道で通過してしまった。

ラストの演説も同じところで引っかかる。言っている中身が悪いわけではないが、勝った側が敵地の観客に向かって「あなた方も変われる」と説く構図は、どうしても目線が上から降りてくる。あそこで冷めた。

家政婦ロボットは、いま観ると事故に近い

ポーリーの誕生日に贈られる家庭用ロボットが、序盤からたびたび画面に出てくる。喋る。ジョークを言う。ポーリーと会話する。アポロを失った直後の家でも、この機械はまだ喋っている。悲しみの余韻を、ブリキの声が横から切りにくる。80年代の未来観として愛でる見方もあるが、置かれている場所が悪すぎる。

後年スタローン自身が同じ判断をしたのは、この点でいちばん雄弁だ。2021年の再編集版では、ロボットが出てくる場面が一つ残らず削除されている

「ロッキーのテーマ」が、一度も鳴らない

音楽担当がビル・コンティからヴィンス・ディコーラに交代し、シリーズで初めて「Gonna Fly Now」が一度も流れない作品になった。差し込まれた新曲はどれも良い。それでも、階段を駆け上がるあのファンファーレを3作かけて刷り込まれた側からすると、いちばん鳴ってほしい場所で鳴らない不足感は最後まで消えなかった。同じことを書いているレビューは、この作品に対してかなり多い。

加えて、過去3作の映像を回想として使う時間が長い。総集編としては親切だが、91分のうちの何分かを本編に回してほしかったとは思う。

ここが残念…

  • 勝つための戦略が描かれず、タフさだけで押し切ってしまう
  • アポロが倒れた責任の所在に、作中がほとんど踏み込まない
  • 家政婦ロボットが、いちばん静かであるべき場面まで喋る
  • 「Gonna Fly Now」不在と、長めの回想パート

こんな方には向かないかも…

  • 1〜3のような、地に足のついたドラマを期待している人
  • 米ソの図式が気になって物語に入れなくなるタイプの人
  • 曲をフルコーラス流すモンタージュを「間延び」と感じる人

サウンドトラック購入先

1985年のオリジナル盤は全10曲。「Living in America」「Burning Heart」「No Easy Way Out」「Training Montage」と代表曲が揃っている(配信で聴ける版にはボーナストラックが1曲足されている)。本編より先にこちらを聴いている人がいるくらいで、単体でも通用する1枚だ。

🎬 「ロッキー4」が好きなら絶対見るべき3選

RRR(2022)

ロッキー4を観ている間ずっと働いている「理屈では否定できるのに体が反応してしまう」回路を、3時間フルで回し続けるのがこれだ。物理法則も歴史考証も脇に置き、音楽と肉体だけで押し切る。植民地支配という重い題材を扱いながら、着地点が肩を組んで踊ることなのも近い。単純だと分かっていて燃える経験に耐性がある人ほど効く。

👉 『RRR』のレビューはこちら

茄子 アンダルシアの夏(2003)

ロッキー4が91分でやったことを、こちらは47分でやる。ロードレースの1ステージだけを切り取り、選手の事情も家族の話も走りながら片付けてしまう。短いほどスポーツものは濃くなるという実例で、モンタージュに頼らずに熱を出す道もあることが分かる。ロッキー4の作りに不満が残った人ほど、対照実験として観る価値がある。なお掲載しているのは、北米盤Blu-rayを出した正規ライセンス元による公式映像だ。

👉 『茄子 アンダルシアの夏』のレビューはこちら

トップガン(1986)

ロッキー4の翌年に公開された、同じ作り方の映画。主題歌をフルで流し、そこに映像を合わせて切り、物語より先に気分を作る。敵の顔がほとんど映らない点まで似ている。80年代半ばのアメリカ映画が何を売っていたのかは、この2本を続けて観るといちばん早い。ロッキー4のモンタージュに乗れた人なら、確実にこちらにも乗れる。

📺 配信サービス別・視聴ガイド

『ロッキー4』はNetflixでは配信なし|見放題はU-NEXTとHulu

本作を定額で扱っているのはU-NEXTHuluの2社だけだ(Netflix・Disney+は対象外)。

2社の差は、クリードまで行くかどうかで出る。『クリード 過去の逆襲』を扱っているのはHuluだけで、U-NEXTには入っていない(2026年8月24日時点)。ロッキー6作と『クリード』『クリード 炎の宿敵』の8本は両社にあるので、3部作まで一気に通すならHulu、8本で足りるなら無料期間のあるU-NEXTという分かれ方になる。4作目1本で切り上げるつもりなら、Huluのほうが月額は安く済む。Amazon Prime Videoはレンタル課金で、3本目あたりで見放題の月額を追い越す。

視聴はこちらから

📀 Blu-ray・円盤情報

この作品には、円盤でしか観られない版がある。2021年にスタローン自身が再編集した『ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV』で、家政婦ロボットの場面が全削除され、未公開映像が大量に足されている。国内では配信が見当たらず、確認できる範囲では4K UHDボックスが唯一の視聴手段だ。下のセットにはシリーズ全6作とあわせてこの再編集版が収録されている。40年前の映画を作者が撮り直しに近いかたちで直した記録として、資料的な価値も高い。

▶ 次は『ロッキー5/最後のドラマ』レビューへ

4作かけて積み上げたものが、開始20分で消える

📚 ロッキーとクリード全9作の見る順番

スタローンの50年が、そのまま9本になっている

📝 まとめ

ゴールデンラズベリー賞を5部門も獲り、同時にシリーズ最大のヒットにもなった。製作費2,800万ドルに対して全世界で3億ドルを超えている。叩かれ方と当たり方が両方とも極端で、この2つが同居している事実自体が、作品の性格をよく表している。粗を数えれば数えるだけ出てくるのに、観ている間はそれが止まらない。

だから勧め方も限定的になる。これ1本を名作として差し出すつもりはない。シリーズを追っている人と、『クリード 炎の宿敵』をこれから観る人には、通っておく価値があるという言い方が正確だ。91分で済むし、雪山と電極の対比とラストの15ラウンドだけで、その91分は持っていかれる。点の付け方がここまで難しい映画も珍しい。作品としての完成度で採点するのか、1985年の劇場にあったはずの熱で採点するのかで、答えは2点くらい動く。今回は前者を基準に置いたうえで、後者を切り捨てない位置に着地させた。

⭐ 作品の特徴

項目評価
ストーリー★★☆☆☆
キャラクター★★★★☆
音楽★★★★★
映像★★★★☆
熱量★★★★★
テンポ★★★★☆

うさぎ亭的おすすめ度

⭐⭐⭐⭐⭐⭐⭐☆☆☆

7.0 / 10

穴を全部数えたうえで、それでも最終ラウンドで前のめりになる91分。